わからないことは楽器屋さんに聞け!~カホンで遊んでみよう!?

すっかり定番になっている「カホン」をドラマー的に解説!

2017-06-20 今回のネタは

夏らしくカホン!です

ここ数年ではすっかり定番になっている「カホン」

基本は「ドラマー」である私なりに
ドラマーの目線で解説してみたいと思います。


■カホンのルーツについて

この木箱のようなルックスの楽器、カホン。
諸説あるようですがペルー発祥といわれており、
かつて奴隷たちがただの木箱を楽器のように叩いていたことに由来していると言われております。

もともとはラテンミュージックのみで使用されていたようですが、
1970年代から徐々に現代の楽器のようなスタイルに変わっていき、
特に1990年代あたりからポピュラーミュージックなどにも浸透してきたようです。

また、2000年代ではかなりメジャーな存在になり、
ここ近年では「ドラムに代わるパーカッション」として使用されるケースも良くみられます。



■カホンの構造と特徴
一般的なサイズでは高さ50cm弱、幅30cm、奥行き30cm程度のものが主流です。



単純な木箱カタチの楽器のカホン、
前面に薄目の打面材を貼った構造で、こちらを主に叩きます。
その打面の裏にはスナッピーやギターの弦等と同じような構造の響き線や鈴が取り付けられております。




・単純なスナッピー式
細かい調整は出来ないが調整不要で比較的安価



・ストリングス式
細かい調整が出来るようになっていることが多く、繊細なサウンド。
中?上級クラスに多い。


・シュラグウェルグのスーパーアジャイル
かなり細やかな調整が出来る。シュラグウェルグの上級クラスに搭載されている。

この響き線の効果で、微妙なバズ音やはっきりとしたスラップ音が生み出されるのです。


打面材は様々な杢目やペイントなど、派手な見た目のものも多く
カホンの顔でもあり個性を表しております。
素材もバーチやビーチ、さらにはエボニーなど様々な種類があり、
音色、叩き心地を左右する非常に重要な部分であります。




また、ボディとトップ材間は微小な隙間があけられており、
これによってアタック音を生み出しております。



・シュラグウェルグのソフトタッチカホン
【中古】SCHLAGWERK シュラグヴェルク / SR-CP562ST AGILE PRO Soft Touch
隙間にあえてクッションを挟み込み、手への負担を軽減したものもあります。

打面の上端を叩くとまるでスネアのような「スラップ音」が、
打面の真ん中を叩くとバスドラムのような「ベース音」が出るようになっております。



ボディ材は座っても壊れないような比較的頑丈な作りになっており、
ウッドのものからファイバーグラスのものなど、こちらもいくつかタイプがあります。
特にファイバーグラスボディのものは音量豊かですが、やや硬めの叩き心地になります。





そして打面反対側は音が抜けるように10cm強の穴があけられており、
この穴があることにより豊かな低音が生まれてきます。




このような響き線なしのカホンも…
かなり原始的スタイルで、きれいに音を出すには熟練を要する本格派


GON BOPS ゴンボップス / GON-AACJ Alex Acuna Signature Cajon




またこんなミニカホン等、
持ち運びが容易で、遊びとしてプレイできるようなものもあります。

Schlagwerk / SR-DC300 Cajonito

■基本的な演奏方法
今回、ドラマー目線でものすごーく簡素に説明いたしますが(笑)

真ん中…バスドラの音
端っこ強打…スネアの音
上部の弱打…ハイハットやスネアのゴーストの音


てな感じです。


これらの組み合わせにより8ビートや16ビートなど、
現代的なPOPSなどにマッチするビートパターンを比較的簡単に作り出すことが出来ます。

今回、私よりカホンが達者な当店スタッフ中村君に演奏してもらいました。



このように「ビート」を比較的簡単に表現出来る為、
ポピュラー音楽への応用が最もしやすいパーカッションといえます。


コンガやボンゴはあまり「バスドラのような土台になる音」が出しずらく、ラテン色が強くなりすぎる。
ジャンベはベーストーンとスラップで低音・高音のメリハリは付くものの、アフリカン色が強すぎる。
カホンはこのような欠点が無く「マルチに使えるパーカッション」として浸透してきたのではないでしょうか?

特にドラマーが、
ドラム叩ける場所じゃないからカホンでお願い!
なんて話を良く聞きます。

私も一度だけ、どうしてもドラムNGな場所でカホンを演奏したことがありますが、
ドラマーの技術のみでも「とりあえずカタチ」には出来ました。

やりこんでマスターするには非常に奥が深く難しい楽器なんですが、
ドラマーが最も手を出しやすい楽器であることは間違いないです。

勿論、基本的な奏法だけならドラマー以外の方でもとっつきやすく、
「叩けば鳴る」 楽器なので、簡単なリズム出しだけなら比較的イージーです。
反対にコンガ・ボンゴなどの「皮モノ」はちゃんと音を出すことすら難しく、
熟練を要するなかなかハードルが高い楽器です。

また、最近では「カホンペダル」など、ドラマー視点で便利なアイテムなども登場しております。




DW / DW-5000CJ カホンペダル
こちらのDWのカホンペダルは、非常にレスポンスがなめらかで、ダブルのキックもお手の物!
通常の手のみでは演奏しにくいフレーズも簡単に再現出来ちゃいます。

また、小出のハンドスプラッシュ等、手での演奏に最適化したシンバルも発売されており、
よりドラマー目線でのプレイをサポートするアイテムも多数存在します。

このようにドラマーがカホンを取り入れている機会は年々増えているように感じます。

特にこれからの季節は、野外での小規模ライブや弾き語りなども増える時期
より一層カホンを使用する頻度も高まってくるのではないでしょうか??




そして今回、当渋谷WESTもフロア拡張を機にカホンやパーカッションを大増量しました!!
私もカホン練習しなくては…

とりあえずカホンやってみたい!
カホンでの演奏たのまれっちゃった…
リズムの中心となりうるアコースティックな楽器を取り入れてみたい。

などなど、
これからカホンを始めたいという方にも、
じっくりチョイスしていただける店舗になりました!

実は私以外のスタッフ3人はかなりカホンが達者です(笑)

もし、カホンをやってみたいけど、どれを選べばいいかよくわからない…
なんて方は是非とも渋谷WESTにお越しください!

それでは、また!


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■この記事を書いた人

松岡 武 Takeshi Matsuoka

中学生の頃突然ドラムに目覚め、そのままのテンションで音楽の専門学校に入学。卒業後よりお茶の水イシバシに勤務し13年、2016年6月より渋谷WEST勤務。20代のころはジョン・ボーナムにあこがれすぎて24インチのライドをバカバカ打ち鳴らしてました。豊富な現場経験を生かしたその人に合った楽器のチョイス、チューニングやメンテナンスポリシーで、様々なタイプのドラマーをサポート致します!


MATSUOKA