わからないことは楽器屋さんに聞け!ドラムチューニングの基礎知識?応用編/実践編?

基礎知識シリーズ18回目は前回の続き
「ドラムのチューニング」について応用編/実践編をお送りいきたいと思います!



今回は動画が多くなっておりますが、、、

さて、まずはこの動画を。



チューニングをしていない状態(ボルトを2本極端にゆるめています)から
簡単では有りますがチューニングし、ミュートを施してみました。

如何でしょうか?

チューニングしていない状態はかなりめちゃくちゃな状態、
良くあるパターンですが手前の2本がかなり緩くなっております。

良くスタジオなどで常設の物はこんな状況になっていることが多いです。
これでは気持ち良いバックビートも出せませんね、、、

ざっくり調整し直してみましたが、
チューニングした状態の方がすっきりと聴きやすい音色で、タイトに聴こえませんか?

このようにボルトのテンションがぐちゃぐちゃでは、
「鳴り」はよくないですし、何よりも倍音構成が気持ち悪く、まとまったサウンドが作れません。

さて、そんなチューニングの必要性は前回のブログでも解説致しましたが、
今回は、その具体的な方法について解説したいと思います。

ちなみに今回使用したスネアはこちら

88105 B

YAMAHA RRS1455 14×5.5 レコーディングカスタム ブラスシェルモデル

前回登場したモデルの「ブラスシェル」仕様
使いやすいスタンダードな10テンションのモデル。
ブラスらしいファットな音質とブラスらしい華やかな倍音が特徴です。

まず、ヘッドへのテンションのかけ方として、
極力、ヘッドを均一に張るのが理想であります。

冒頭の動画にあるように張り具合がめちゃくちゃな場合は、
いったん全て緩めてしまい、ヘッドテンションゼロからやり直す方が早かったりします。

ゼロから均等に張る場合、以下の手順で締めると理想的といえます。


もちろん、この方法が全てでは有りませんが、
スムーズにテンションを上げるのに非常に役立つ方法です。

個人的な手法ではございますが、
ゼロからテンションを上げてみた動画がコチラです。



まず、手で張りを確かめながら、それぞれのボルトにテンションがかかり始める瞬間まで回します。

全体にテンションが掛かり始めたら、音がわかりやすくなるまで先述の手順で増し締めします。

張りのバランスを確かめる為に、真ん中を手でミュートしながら、
ボルトの近辺を軽く叩き、それぞれのピッチを確認します。

ピッチを確認した時、音が低くなる部分があれば、その付近のテンションが低いことを意味します。
該当する箇所のボルトの少しずつ締めて、
それぞれのボルト近辺のピッチが同じようになるように調整します。

ほぼ均等になれば、ひとまず出来上がり。

この状態を維持しつつ、後は好みのピッチになるように調整します。
先述の手順を使い、なるべく均等になるよう心がけます。

とりあえずほぼ均等に張ることが出来ました、
でも、少し余韻が長くて気になる、、、
そんな時に必要になってくるのが「ミュート」

余分な倍音や余韻を適度にカットし、
実際の出したい音のみを強調する方法です。

「ミュート」には「リングミュート」や「ジェルミュート」など
さまざまなアイテムも出ておりますが、
そのようなアイテムが無いときに活躍するのが「ガムテープ」
大体スタジオやライブハウスにありますので、とっさの時にも応急的に対応できます。

今回使用したスネアはブラス製のため特に倍音も多く、
場合によってはその余韻が邪魔に感じる場合もあります。

以下の動画ではガムテープやリングミュートなどでミュートを施しています。



ガムテープではほんのり音が引き締まる感じ、
リングミュートではガッツリ音がタイトになると思います。

また、ガムテープでは、貼る位置によっても音色が変わりますので、
適宜調整しながら、しっくりくるポイントを探すことができます。

ちなみに高音域の倍音はヘッドの外周から出ます。
ミュートする位置により、カットする音域も調整できるため、
ガムテープでのミュートは実に細やかな調整が出来たりします。

音作りのコツとしてはズバリ「引き算」
とりあえず鳴る状態を作り、余分な音をカットしていくと上手くいきます。

例えば下の動画は、ヘッドテンションをかなり下げて図太いサウンドを意識した場合です。



ローピッチでは余韻が長くなりすぎる為、やや強めのミュートが必要になったりします。
このようにリングミュートを使い強めにミュートをかけると音像がタイトになり、
余分な高音域と余韻がカットされ、太い音色がフォーカスされます。

また、叩き方も一工夫するとよりファットにできます。
この場合、スティックを逆手持ち、叩く場所もやや深めに叩いています。

このように、基本の「鳴る」チューニングを心がけていれば、
叩き方を含め、様々な調整で音色を変えることが出来るのです。

特にスネアの音色は楽曲のイメージも左右します。

どうしても好みの音が出せない場合は、まずはチューニングを整頓してみて下さい。

次にヘッドやスナッピーなどのパーツの交換、
それでもイメージ通りの音色に近づけない場合は、
思い切って楽器を違うものに替える事も必要になってくるかもしれません。

今回はチューニングの「実践例」をメインにお送りしました。
特にチューニングについては「慣れと経験」が重要だったりします。
皆さんも恐れずにガンガンチューニングをいじってみてくださいね!

次回は発展編をお送りいたします!



■過去記事はこちらから■

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■この記事を書いた人

松岡 武 Takeshi Matsuoka

中学生の頃突然ドラムに目覚め、そのままのテンションで音楽の専門学校に入学。卒業後よりお茶の水イシバシに勤務し13年、2016年6月より渋谷WEST勤務。20代のころはジョン・ボーナムにあこがれすぎて24インチのライドをバカバカ打ち鳴らしてました。豊富な現場経験を生かしたその人に合った楽器のチョイス、チューニングやメンテナンスポリシーで、様々なタイプのドラマーをサポート致します!



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