前回のFREE THE TONE/ARC-3に引き続き、
BOSS ES-8についてご紹介したいと思います。
https://www.ishibashi.co.jp/sale-event/13293
前回の記事です合わせてご覧下さい。↑
今回多機能性を重視した固体の為、写真等でご説明しようと思いましたが
あまりに情報量が多い為、逆に文章ではわかりにくくなるなと思い割愛しました。
もしより操作法について詳細について聞きたいという方がいらっしゃいましたら、
是非イシバシ楽器 横浜店にご来店、御問い合わせお待ちしております。
※また今回は仮組ボードなしの本体のみの紹介です。
割愛しても今回も長いです。
イシバシ楽器 横浜店/エフェクター担当です。
BOSS/ES-8 ¥75,600
『ペダルボードに驚異的な表現性を』
BOSS公式HP、ES-8のページに一番最初に目に入る文言です。
まさに、『表現性』という言葉においてBOSS/ESシリーズは
業界において革新的な位置にいるスイッチャーです。
一番の特色はやはり、ルーティングの入れ替えが
プリセット(以下PS)事に可能という点でしょう。
この技術は業界ではこのES-8が初登場となります。
例えば、LOOP1にクリーンブースターを、LOOP2にオーバードライブを接続したとします。
これを両方『ON』の設定で、このままプログラムするとLOOP1のブースターはゲインブースターの効果となり、LOOP2のオーバードライブの歪みを増幅する効果となります。
つまり↓のような接続順となります。
※LOOP1とLOOP2が全てONのセッティング
PS1 ギター→クリーンブースター(LOOP1)→オーバードライブ(LOOP2)
↑の接続順をプリセット事で入れ替える事ができますので、例えば文章化すると
例1.PS2 ギター→オーバードライブ(LOOP2)→クリーンブースター(LOOP1)
例2.PS3 ギター→オーバードライブ(LOOP2)→LOOP3→LOOP4→クリーンブースター(LOOP1)
『実際の接続順を変えずに中の設定だけで、エフェクターのLOOP順を変えられる』
という事になります。
他にもこれは個人差にもよりますが、例えば空間系・残響系のエフェクターの運用等で
仮にモジュレーション(LOOP5)→ディレイ(LOOP6)→リバーブ(LOOP7)とした
接続があるとします。
空間系、残響系のエフェクターは歪み系やダイナミクス系のエフェクターに比べ、
接続順で音の変化が現れやすいジャンルです。
例えばリバーブ系とモジュレーション系ではリバーブ系を先に接続してしまうと、
『リバーブをかけた音にモジュレーションがかかってしまう』ので、
つまりリバーブ音までが揺れてしまうという現象が起きます。
なのでモジュレーション→リバーブといった接続順が一般的です。
しかしながらこれらはあくまで一般的な運用法なので
個人的には『組み合わせによって、その時自分が使いやすい順番』が一番とご案内します。
例えば個人的な見解の例で申し訳ありませんが、
私はディレイをよく多様しますので、
できればこの音色はしっかりと出力して欲しいのが主となります。
しかしながらリバーブを使用する際、通常のリバーブの他、
所々アンビエント的な少し特殊な使用をする時もあります。
使用頻度はそこまで多様するわけではありませんが、その際に
リバーブもディレイも両方目立って欲しい時もあります。そこだけ。
(音の運用について私わがままです)
そのような際、ES-8のような機能があると、そのPSだけ
モジュレーション(LOOP5)ON→ディレイ(LOOP6)ON→リバーブ(LOOP7)ON
↓
モジュレーション(LOOP5)ON→リバーブ(LOOP7)ON→ディレイ(LOOP6)ON
にする事も可能です。
これを行う事により、エフェクターの接続順による音色の効果をコントロールでき、
ずばり、接続されたエフェクターをフルスペックで活用できる接続位置で
常にキープできるという事です。
またARC-3で触れました、バッファーについてですが、
ES-8にもバッファー機能が搭載されています。
BOSSのバッファーと一言で言うとお客様によっては、
すぐに想像が付く方もいらっしゃるぐらい有名ですが、ES-8に搭載されている
バッファーはESシリーズの為、新たに開発されたものとなり、従来のものよりも
格段に進歩した音となっております。
メーカー曰く
『より入力音をそのまま出力できるよう、ピュアな音質を目指している』
という事です。
確かに主観的にはなりますが従来のイメージに比べ、
非常に原音に忠実といえるかと思います。
またPS事に、入出力バッファーのON・OFFが可能です。
例えば、ビンテージファズなどインピーダンスに気をつけなければ
いけないエフェクターを接続したとしても、そのエフェクター使用時のみ
バッファーをOFF、その他のプリセットではバッファーをONといった
運用も可能という事です。
ちなみに入出力ともにPS可能という所が素晴らしいです。
また出力バッファーのみ、Gainの可変が可能です。
0db、+2db、+4db、+6dbと上昇可変のみ可能となっています。
なのでPS事にレベル差を感じたら、ここを調節してあげれば
一定した出力を保てるという事ですね。
また今年登場したES-5では出力バッファーとうたわれるものが無く、
代わりにミキサーがデフォルトで出力の直前に配置されています。
つまり全てのループの最後に配置され出力バッファーとして使用できるようになってます。
また、Gain上下可変が可能となっており、-12db、-9db、-6db、-3db、0db、+3db、+6dbと
幅広くなっています。
個人的にアップデートか何かで、ES-8もこうならないかなと思っております。
※ミキサーについては後ほどご説明いたします。
それではBOSS/ES-8の使い方をご紹介いたします。
始めに各スイッチの機能説明です。
・MEMORY/MANUALスイッチ/MEMORY MODEとMANUAL MODEの切り替え
・MUTEスイッチ/押すと出力がミュート。また2秒長押しでバイパス出力となります
・BANK↑BANK↓スイッチ/MEMORY MODE時でのBANKの切り替え
・ナンバースイッチ(1?8)/パッチの切り替え、MANUAL MODEでは各ループのON・OFF
・EDITボタン/パッチの設定やシステムの設定
・WRITEボタン/パッチの設定を保存する時に押します
・「+」「-」ボタン/設定の値の変更時に使用します
・「DISPLAY/EXIT」ボタン/画面の切り替えや操作の取り消し、前の画面に戻る際に使用します。
・「ENTER」ボタン/操作の確定
・「←」「→」ボタン/カーソルの移動、カテゴリーやパラメーター選択時に使います。
次にARC-3でもご説明したプリセットモードとダイレクトモードによる、
ループの組み合わせの保存と呼び出しです。
電源をつけてすぐの状態ではPSモード(ES-8ではMEMORY MODE)になってます。
これはプログラマブル・スイッチャーほぼ共通です。
1.筐体左パネルの下のMEMORY/MANUALスイッチを押す。
2.ダイレクトモード(ES-8ではMANUAL MODE)で保存したいループをONにしていく。
3.ループが決定したら筐体パネル右側にある『WRITE』ボタンを押す
4.「←」「→」ボタンと「+」「-」ボタンで、保存先のバンク・ナンバー、パッチナンバーを指定
※BANK↑BANK↓スイッチやナンバースイッチ(1?8)でも可能。
5.「ENTER」ボタンを押す。
6.「←」「→」ボタンと「+」「-」ボタンで、パッチ・ネームが決められます。
あくまで名前なので飛ばしてもOKです。
7.『WRITE』ボタンまたは「ENTER」ボタンを押して終了。
以上です。
ボタンを押さなければいけなかったり、
指での動作も必要だったりとARC-3のように足での動作で完結はしません。
しかしながら簡潔に纏められ、1回自分で試すとすんなりと頭に入る印象です。
次にいよいよルーティングの入れ替えについてご紹介します。
まずルーティングについて、ES-8でできる事を簡潔に纏めると3点です。
?エフェクトループの接続順の入れ替え
?並列接続にする
?キャリー・オーバーの設定ができる
順番に見ていきましょう。
・エフェクトループの接続順の入れ替え
まさに言葉通りの意味です。ご自分のエフェクターがループの順番に関係なく、
自由に接続順を変えられます。
これを行う事により、エフェクターの接続順による音の変化も織り込みつつ
音色のコントロールが可能となります。
パネル内の表示も分かりやすく、簡単にアサインし、コントロールできます。
またこれにより音作りの幅がさらに広がり、よりバリエーションに富んだ運用が可能です。
・並列接続にする
次は並列接続についてです。
そもそも並列接続とは、元来シリアル(直列)でエフェクターを接続し、複数をONにすると個々の
音がMIXされて出力されます。
(もっと言いますと後ろに接続したエフェクターの音色の色が優先されつつ、尚MIXされ出力される)
それを入力時に2つに分け、個々の信号にエフェクト効果を足しつつ、最後にMIXするという
接続がES-8内の設定でできるよう採用されています。
この効果を使うとエフェクト効果が、ただMIXされるのではなく個々の信号にかかり、
出力されるので、それぞれの音像がより効果的に聞き取れます。
上記の接続がES-8内で設定一つで行われます。
また、バッファーの項でミキサーのお話をしました。
ES-8ではミキサーが2つ内蔵されており、その二つでキャリーオーバー機能と並列接続を行います。
ミキサーは信号の合流地点にて使用されます。
※つまり並列接続とキャリーオーバー機能を2つ使用した場合、他に並列接続等はできません。
・キャリーオーバー機能
キャリーオーバーとは、主にディレイに関わる機能です。
通常ディレイ音はパッチチェンジ等を行うと出力途中のディレイ音はカットされ、
次の音色へと切り替わります。
これをディレイ音の減衰を残しつつ、次の音色に自然に切り替えるという機能です。
キャリーオーバー使用時、キャリーオーバー用のミキサーから出力される信号は
パッチ・チェンジ前は直列に出力されます。
パッチ・チェンジ後はディレイへ向かうSENDはカットされ、リターンのみダイレクト音と
ミックスされ出力されます。
いかがでしょうか?
非常に多機能性に富んだスイッチング・システムです。
ご自分のエフェクターシステムで上記のようなセッティングを行いたかった方も
多かったのではないかと思います。
また今回触れていませんが、もちろん『MIDI』も使用できます。
PC#とCC#ともに同時送信可能です!
今業界全体が「現場」という観点にシフトしつつあると感じていますが、
そこで重要になってくるのは、運用性と汎用性が必要になってくるかと思います。
そこでプロ・アマ問わずご自分の音の運用について
ご検討されているのであれば是非「スイッチング・システム」の導入を推奨いたします。
まだまだ書きたらないのですが、実際に動かしてみた方が分かりやすいです。
続きは是非ご来店していただいた際に
じっくりとご説明いたします。
お問い合わせはイシバシ楽器 横浜店/エフェクターフロアまで
お待ちしております。
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